メトロポリタン・オペラ 5/3~5/9
今週のテーマは「母の日に寄せて」。
慈しみ深い母がいる一方で、自分のことしか考えない毒母がいたり、子供を出世させるために陰謀の限りを尽くす母がいたり、さまざまな母親が登場します。
5/3 エレクトラ
5/4 ロデリンダ
5/5 ハムレット
5/6 ノルマ
5/7 ヴォツェック
5/8 蝶々夫人
5/9 アグリッピーナ
どの演目も素晴らしいものばかりですが、中でも5/9の「アグリッピーナ」はイチオシです。
5/4の「ロデリンダ」と同じくヘンデル作曲の作品。紀元1世紀のローマ帝国に実在した人物アグリッピーナは時のローマ皇帝クラウディオの妻。連れ子のネローネを皇帝の座につかせようとあの手この手の陰謀を巡らせるシリアスなサスペンスドラマですが、それをコミック仕立てにしてしまうところがさすがエンターテイナーのヘンデル。超絶技巧のアリアをこれでもかというほどにちりばめて、絢爛豪華な音楽絵巻に仕立てあげています。演出のデイヴィッド・マクヴィガーは「歴史は繰り返す」というコンセプトのもとに舞台を現代に置き換えています。
主役のアグリッピーナを歌うジョイス・ディドナートの素晴らしさはもちろんのこと、ネローネを演じるメゾ・ソプラノのケイト・リンジーのイケメン不良息子ぶりが見事。その他、カウンターテナーが贅沢なことに二人も登場したり、舞台上でチェンバロ奏者が華やかな演奏を披露したり、見どころ、聴きどころがたくさん。
今が旬のバロックオペラをぜひご堪能下さい。
Direttrice
アグリッピーナ
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